○名古屋市中高層建築物の建築に係る紛争の予防及び調整等に関する条例

平成11年12月14日

条例第40号

目次

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 建築主等の配慮等(第7条―第9条)

第3章 計画の事前公開(第10条―第12条)

第4章 共同住宅型集合建築物に係る指導(第13条・第14条)

第5章 あっせん(第15条―第17条)

第6章 調停(第18条―第23条)

第7章 名古屋市建築紛争調停委員会(第24条―第29条)

第8章 雑則(第30条―第32条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、中高層建築物の建築に係る紛争の予防及び調整並びに共同住宅型集合建築物の建築の計画等に関し必要な事項を定めることにより、良好な近隣関係を保持するとともに、健全で快適な居住環境の保全及び形成に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例における用語の意義は、建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「法」という。)及び建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)の例による。

2 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 中高層建築物 別表の左欄の1項から5項までの区分に応じてそれぞれ右欄に掲げる建築物をいう。

(2) 共同住宅型集合建築物 共同住宅の用途に供する建築物で、階数が2以上で、かつ、住戸の数が10以上のものをいう。

(3) 中高層建築物等 中高層建築物及び共同住宅型集合建築物をいう。

(4) 近隣関係者 次のいずれかに該当する者をいう。

 建築物の所有者及び居住者で、その敷地(中高層建築物からその敷地の境界線までの水平距離のうち最小のものが、当該中高層建築物の高さの3倍に相当する距離以上であるものを除く。)の当該中高層建築物の敷地境界線からの水平距離が10メートル以下であるもの

 中高層建築物の建築により、冬至日の真太陽時による午前8時から午後4時までの間において、当該中高層建築物の平均地盤面に2時間以上日影となる部分を生じる範囲にある建築物の居住者

(5) 周辺関係者 次のいずれかに該当する者をいう。

 建築物の所有者及び居住者で、その敷地の中高層建築物の敷地境界線からの水平距離が50メートル以下であるもの

 中高層建築物の建築により、テレビジョン放送の電波の著しい受信障害(以下「テレビ電波受信障害」という。)が生じるおそれがある建築物の所有者及び居住者

(6) 近隣関係者等 近隣関係者及び周辺関係者をいう。

(7) 紛争 周辺の居住環境に及ぼす影響(中高層建築物の建築に伴って生じる日照の阻害及びテレビ電波受信障害並びに工事中の騒音及び振動等をいう。)に関し、当該中高層建築物の建築主及び工事施工者と近隣関係者等との間において生じる紛争をいう。

(適用除外)

第3条 この条例の規定は、仮設建築物を建築しようとする場合には適用しない。

(市の責務)

第4条 市は、中高層建築物等の建築に際し、健全で快適な居住環境の保全及び形成が図られるよう指導するとともに、紛争が生じたときは、迅速かつ適切な調整に努めるものとする。

(建築主等の責務)

第5条 建築主、設計者、工事監理者及び工事施工者(以下「建築主等」という。)は、中高層建築物等の建築に際し、周辺の居住環境に十分に配慮するとともに、良好な近隣関係を損なわないよう努めなければならない。

(自主的な解決)

第6条 中高層建築物の建築主及び工事施工者並びに近隣関係者等は、紛争が生じた場合には、誠意をもって、自主的に解決するよう努めなければならない。

第2章 建築主等の配慮等

(教育施設等の日照)

第7条 中高層建築物の建築主等は、当該中高層建築物の建築により、冬至日の真太陽時による午前8時から午後4時までの間において、学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校(幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校(前期課程に限る。)及び特別支援学校に限る。)、同法第134条第1項に規定する各種学校(主として外国人の幼児、児童、生徒等に対して幼稚園、小学校又は中学校に類する教育を行うものに限る。)、名古屋市子ども適応相談センター又は児童福祉法(昭和22年法律第164号)第7条第1項に規定する児童福祉施設(乳児院、保育所、幼保連携型認定こども園、児童養護施設、障害児入所施設、児童発達支援センター、児童心理治療施設及び児童自立支援施設に限る。)に日影となる部分を生じさせる場合には、日影の影響について特に配慮し、当該中高層建築物の建築の計画について、当該施設の設置者と協議しなければならない。

(テレビ電波受信障害対策)

第8条 中高層建築物の建築主等は、当該中高層建築物の建築により、テレビ電波受信障害が生じるおそれがある場合には、あらかじめ調査を行い、その被害を受けるおそれのある者とテレビ電波受信障害の改善について協議しなければならない。

2 中高層建築物の建築主等は、当該中高層建築物の建築により、テレビ電波受信障害が生じた場合には、共同受信施設を設置する等テレビ電波受信障害を改善するために必要な措置をとらなければならない。

(工事中の措置)

第9条 中高層建築物の工事施工者は、工事中の騒音及び振動等により周辺の居住環境に著しい被害が生じるおそれがある場合には、その被害を受けるおそれのある者とあらかじめ協議し、被害を最小限にとどめるために必要な措置をとらなければならない。

第3章 計画の事前公開

(標識の設置)

第10条 中高層建築物の建築主は、当該中高層建築物の建築に際し、近隣関係者等に建築の計画の周知を図るため、規則で定めるところにより、標識を設置しなければならない。

2 前項の標識は、法第6条第1項若しくは法第6条の2第1項の規定による確認の申請又は法第18条第2項の規定による計画の通知をしようとする日(以下「確認申請日」という。)の27日前までに設置し、法第89条第1項の規定による表示をするまで、又は法第18条第3項の規定による確認済証が交付されるまで設置しておかなければならない。

3 中高層建築物の建築主は、第1項の規定により標識を設置したときは、規則で定めるところにより、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。

(建築計画等の説明)

第11条 中高層建築物の建築主等は、規則で定めるところにより、近隣関係者に対し建築の計画及び工事の概要(以下「建築計画等」という。)を説明しなければならない。ただし、別表の4項右欄第1号に掲げる建築物を建築しようとするときは、この限りでない。

2 中高層建築物の建築主等は、近隣関係者等から説明を求められたときは、規則で定めるところにより、建築計画等を説明しなければならない。

3 中高層建築物の建築主等は、建築計画等について近隣関係者等から説明会の開催を求められたときは、これに応じるよう努めなければならない。

(報告)

第12条 中高層建築物の建築主は、次の各号に掲げる事項を市長に報告しなければならない。

(1) 第7条の規定により配慮し、及び協議したとき 配慮した事項及び協議の状況

(2) 第8条第1項の規定により調査を行ったとき 調査の結果

(3) 前条第1項の規定により説明したとき 説明の状況

2 前項の報告は、第10条第1項の規定により標識を設置した日から起算して20日を経過した日以後で、確認申請日の7日前までにしなければならない。

3 市長は、中高層建築物の建築主に対して、第8条第2項の規定によりとった措置について、報告を求めることができる。

4 市長は、中高層建築物の建築主に対して、前条第2項の規定によりした説明の状況又は同条第3項の規定により開催した説明会の状況について、報告を求めることができる。

第4章 共同住宅型集合建築物に係る指導

(共同住宅型集合建築物に係る措置)

第13条 共同住宅型集合建築物の建築主は、良好な近隣関係を保持するため、規則で定めるところにより、次の各号に掲げる事項について必要な措置をとるものとする。

(1) 駐車場に関する事項

(2) 住戸の床面積及び天井の高さに関する事項

(3) 共同住宅型集合建築物の管理に関する事項

(4) その他市長が必要と認める事項

2 共同住宅型集合建築物の建築主は、規則で定めるところにより、確認申請日の7日前までに、前項の規定によりとった措置の内容を市長に届け出るものとする。

(指導)

第14条 市長は、前条第1項の規定によりとった措置の内容が規則で定めるところに適合しないと認めるときは、共同住宅型集合建築物の建築主に対し、必要な指導を行うものとする。

第5章 あっせん

(あっせん)

第15条 市長は、中高層建築物の建築主及び工事施工者と近隣関係者等(以下「紛争当事者」という。)が自主的な解決の努力を行っても紛争の解決に至らない場合において、紛争当事者の双方から申出があったときは、あっせんを行うものとする。

2 前項の申出は、当該紛争に係る中高層建築物の工事の着手前に行わなければならない。

3 市長は、あっせんのため必要があると認めるときは、紛争当事者に出席を求めてその意見を聴き、又は必要な資料の提出を求めることができる。

4 市長は、紛争当事者間をあっせんし、双方の主張の要点を確かめ、紛争が解決させるよう努めなければならない。

(あっせんの打切り)

第16条 市長は、あっせんに係る紛争について、あっせんによっては紛争の解決の見込みがないと認めるときは、あっせんを打ち切ることができる。

(手続の非公開)

第17条 あっせんの手続は、公開しない。

第6章 調停

(調停の申出)

第18条 市長は、紛争当事者の双方から調停の申出があったときは、名古屋市建築紛争調停委員会(以下この章において「調停委員会」という。)の調停に付することができる。

2 市長は、紛争当事者の一方から調停の申出があった場合において、相当な理由があると認めるときは、他の紛争当事者に対して、調停の申出をするよう勧告することができる。

3 前2項の申出は、当該紛争に係る中高層建築物の工事の着手前に行わなければならない。

(調停前の措置)

第19条 市長は、調停前に、紛争当事者に対し、調停の内容となる事項の実現を著しく困難にする行為を行わないことその他調停のために必要と認める措置をとることを要請することができる。

(調停の手続)

第20条 調停委員会に付託された紛争に関する調停は、調停小委員会により行う。

2 調停小委員会は、調停のため必要があると認めるときは、紛争当事者に出席を求めてその意見を聴き、又は必要な資料の提出を求めることができる。

3 調停小委員会は、調停案を作成し、相当の期限を定めて、紛争当事者に提示することができる。

(調停の打切り)

第21条 調停小委員会は、調停に係る紛争について、次の各号のいずれかに該当することとなった場合には、調停を打ち切ることができる。

(1) 紛争当事者間に合意が成立する見込みがないと認めるとき

(2) 調停案に定められた期限までに紛争当事者の双方から受諾する旨の申出がなかったとき

(調停終了の報告)

第22条 調停小委員会は、調停の経過及び結果を調停委員会に報告するものとする。

2 調停委員会は、調停が終了したときは、その結果を市長に報告するものとする。

(手続の非公開)

第23条 調停の手続は、公開しない。

第7章 名古屋市建築紛争調停委員会

(設置及び所掌事務)

第24条 市長の附属機関として、名古屋市建築紛争調停委員会(以下この章において「調停委員会」という。)を置く。

2 調停委員会は、第18条第1項の規定により市長から付託された紛争について調停を行うとともに、市長の諮問に応じ紛争の予防及び調整に関する事項について調査審議し、その結果を市長に答申する。

(組織)

第25条 調停委員会は、委員10人以内をもって組織する。

2 委員は、法律、建築、行政その他に関し経験及び知識を有する者のうちから、市長が委嘱する。

(委員の任期)

第26条 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 委員は、再任されることができる。

(委員長)

第27条 調停委員会に委員長を置き、委員の互選によって定める。

2 委員長は、会務を総理し、調停委員会を代表する。

3 委員長に事故があるとき又は委員長が欠けたときは、委員のうちから委員長があらかじめ指名する者がその職務を代理する。

(調停小委員会)

第28条 調停委員会に3人以上の委員で構成する調停小委員会を置く。

(運営等)

第29条 第24条から前条までに定めるもののほか、調停委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

第8章 雑則

(命令)

第30条 市長は、第10条第1項の規定に違反して標識を設置しない者に対し、相当の期限を定めて、標識を設置すべきことを命ずることができる。

2 市長は、第12条第1項又は第4項の規定に違反して報告しない者に対し、相当の期限を定めて、報告すべきことを命ずることができる。

(公表)

第31条 市長は、前条の規定による命令を受けた者が、正当な理由なくこれに従わないときは、その旨を公表することができる。

2 市長は、前項の規定により公表しようとするときは、あらかじめ、公表の対象となる者に対しその旨を通知し、意見陳述の機会を与えなければならない。

(委任)

第32条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則

(施行期日等)

1 この条例は、平成12年4月1日から施行し、同日以後に工事に着手する中高層建築物等の建築に係る手続その他の行為について適用する。

(経過措置)

2 第3章の規定は、平成12年5月1日以前にする法第6条第1項若しくは法第6条の2第1項の規定による確認の申請又は法第18条第2項の規定による計画の通知に係る別表の4項右欄第1号に掲げる建築物の建築に係る手続その他の行為については、適用しない。

3 この条例の施行の際、当該施行により新たに対象となる中高層建築物等について、従前の手続に関する定めによってした手続その他の行為は、この条例中これに相当する規定がある場合には、この条例の相当規定によってしたものみなす。

附 則(平成13年条例第5号)

この条例は、公布の日から施行する。

附 則(平成19年条例第44号)

1 この条例は、平成20年4月1日(以下「施行日」という。)から施行する。

2 この条例による改正後の名古屋市中高層建築物の建築に係る紛争の予防及び調整等に関する条例第7条の規定は、施行日以後に建築基準法(昭和25年法律第201号)第6条第1項又は同法第6条の2第1項の規定による確認の申請(以下「確認の申請」という。)を行う中高層建築物の建築主等について適用し、施行日前に確認の申請を行った中高層建築物の建築主等については、なお従前の例による。

附 則(平成24年条例第16号)

この条例は、平成24年4月1日から施行する。

附 則(平成27年条例第5号)

この条例は、平成27年4月1日から施行する。

附 則(平成28年条例第13号)

この条例は、平成28年4月1日から施行する。

附 則(平成29年条例第4号)

この条例は、平成29年4月1日から施行する。

別表

 

地域又は区域

建築物

1

第1種低層住居専用地域又は第2種低層住居専用地域

軒の高さが7メートルを超える建築物又は地階を除く階数が3以上の建築物

2

第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域(3項に掲げるものを除く。)、準工業地域又は用途地域の指定のない区域

高さが10メートルを超える建築物又は地階を除く階数が4以上の建築物

3

近隣商業地域(都市計画において、建築物の容積率が10分の40と定められたものに限る。)又は商業地域(都市計画において、容積率が10分の40と定められた地域のうち防火地域と定められていないものに限る。)

(1) 高さが15メートルを超える建築物(次号に掲げるものを除く。)

(2) 高さが10メートルを超える建築物又は地階を除く階数が4以上の建築物のうち、冬至日の真太陽時による午前9時から午後3時までの間において、1項又は2項左欄に掲げる地域又は区域内の法第56条の2第1項の水平面に日影を生じさせるもの

4

商業地域(3項に掲げるものを除く。)又は工業地域

(1) 3項右欄第1号に掲げる建築物

(2) 3項右欄第2号に掲げる建築物

5

工業専用地域

3項右欄第2号に掲げる建築物

備考

1 建築物を増築する場合においては、高さ及び階数の算定方法は、当該増築に係る部分の建築物の高さ及び階数による。

2 建築物が、この表左欄に掲げる地域又は区域の2以上にわたる場合においては、右欄中「建築物」とあるのは「建築物の部分」とする。

名古屋市中高層建築物の建築に係る紛争の予防及び調整等に関する条例

平成11年12月14日 条例第40号

(平成29年4月1日施行)

体系情報
第12類 設/第3章 築/第1節 建築指導
沿革情報
平成11年12月14日 条例第40号
平成13年 条例第5号
平成19年10月12日 条例第44号
平成24年3月23日 条例第16号
平成27年3月12日 条例第5号
平成28年3月24日 条例第13号
平成29年3月23日 条例第4号